2022.03.25
ブログ
コロナ・クラスターを経験して思うこと
理事長の米田順哉です。夢ポケットの初ブログは、3月に起こったコロナ騒動の顛末と総括を書いておきたいと思います。
夢ポケットでは、3月2日(水)から新型コロナの感染が拡大し、12日(土)までの11日間に陽性者数が15名(職員5名・利用者さん10名)に達する大きなクラスターとなりました。濃厚接触者も23名(職員7名・利用者さん15名・実習生1名)を数え、生活介護事業所と放課後等デイサービス事業所が12日から休業やむなしとなりました。(生活介護事業所は16日(水)に再開、放課後等デイサービス事業所は21日(月)に再開)
感染拡大はグループホームの利用者さんにも広がり、BCP(事業継続計画)に従って「夢オーシャン」と「夢オーシャンⅡ」の二つのグループホームをロックダウン対応することとなりました。陽性者の居住区を2階・濃厚接触者の居住区を1階に限定、使用する風呂・トイレも分けるゾーニングを徹底し、限定された4人の役職員がキャップ・ゴーグル・フェイスシールド・強力なマスク・手袋・ガウンというフル装備の防護着で陽性者のケアに当たりました。最後の陽性者の健康観察期間が19日(土)に終了し、20日(日)から二つのグループホームのロックダウンは解除されました。
クラスター終結の定義は、最後の患者が発生してから20日以内に新たな患者が発生していないことなので、厳密に言うと夢ポケットのクラスターは終結していないのですが、最後の陽性者の健康観察期間が終了し復帰した23日(水)に法人としては本件の終結を宣言しています。
陽性者の様子はというと、陽性者の内5名は無症状、発症者はほぼ全員が37度代から38度代の発熱で一人だけ39度代でした。一日ないしは二日で平熱に下がり、その後も三日間くらい倦怠感が残るケースが多かったようです。職員で一人嗅覚と味覚に異常を訴えた者がいましたが、健康観察期間中に回復しています。一般の解熱剤以上の薬は処方されていません。
要するに今の新型コロナウイルス(オミクロン株)は「風邪」ですね。新型コロナをインフルエンザと類比する場合もありますが、インフルエンザはタミフルという特効薬で解熱することを思うと、インフルエンザよりも「風邪」と類比する方が正しいと思います。
今回のクラスターを経験してつくづく思うのは、今の新型コロナが「風邪」だとすれば濃厚接触者の行動制限は直ちに止めた方がいいということです。現在の対応は、「新型コロナの致死率は10%に達するかもしれない。」と考えられていた時と同じ対応をしているわけですから、明らかに不合理です。「風邪」であるならば、感染者数で対策を考えるべきではないし、報道も止めたらいいと思います。濃厚接触者の行動制限を続けることは「緩やかな社会の自死」とさえ感じます。今、濃厚接触者の待期期間が段々短くなる等の潮目の変化は何となく感じるのですが、一日も早い政治決断を望みたいものです。
今回のコロナ・クラスターで、法人としては初めて本格的にBCP(事業継続計画)を発動することになりました。保健所の指示を待っていると職員や利用者さんの不安が大きくなるので、BCPに従い自主的にPCR検査を実施し先手の対応を行ないました(費用は60万円ほどかかりましたが)。今回のコロナ・クラスターでは、最悪のシナリオ(死者が出る)の5段階くらい手前ながら、グループホームのロックダウンという厳しい対応を余儀なくされました。ここをパニックにならず乗り越えられたのは、BCPが機能したおかげであると同時に、今回の経験でBCPはさらに進化することになりました。また、この困難を一致団結して乗り越えてくれた夢ポケットの職員には、感謝と敬意しかありません。全く根拠はありませんが、今の夢ポケットの職員となら、南海トラフ巨大地震に遭遇しても何とか乗り越えられそうな気がしています。今回のコロナ騒動は、危機管理・危機対応という点において良い経験になったと総括しておきましょう。(今だから言えることですが・・・。)